〈民間企業と公務員〉
「あの会社はブラックだ」とかあまりにも簡単な言い方には懸念がある。
確かにひどい会社もあるようなので、そういう会社には「ブラック」のレッテルを張り付けてやれ、と思ったりもするが。
例えば、家族や仲間と創業したての小さな会社などでは労働基準法など無視した働き方をすることもよくあるだろうしそれに対して非難するのもおかしいだろう。
また「学校の教師の働き方は民間企業で言えばブラックだ」という話を聞いたりする。
実際に教師をしている知人の話によれば、時間外勤務、仕事の持ち帰り(情報の漏えいの問題があり今は禁止されているかもしれない)休日のクラブ活動など大変そうだ。
かつて(だいぶ前だが)「教師は聖職か否か」という議論があったことがある。
本人の意識はともかく、雇い主が神様以外である限り聖職とは言い難い。しかし学校の教師と目的が受験などに特化された塾の教師とは違う。
特に公立の場合、教師は公務員である。雇い主は国家である。
国家の目的は国土、領域の確保、安定的生産の維持と再配分と考えられ、公務員はその国家や地方行政の使命を受けて働く立場である。資本家がサクシュをするために雇うのとは違い、税金=ピンハネの中から給与を支給されながら働くことになる。(ピンハネは阿漕な方法というニュアンスがあるが、そのピンハネの割合が妥当であればサクシュ(それだけしか与えられない)よりも道義的に良いと考えられる)
公務員は一般の人よりタテマエ、ルールに縛られているだろう。公務員でない人たちもそれらに縛られてはいるが、状況によっては反則もやむなしという感じではないだろうか。
ルールはどんどん多くなり厳密になってゆくように見える。公務員の人たちはこれからどんどん窮屈な思いを強いられるのではないだろうか。
それに伴い、違法性ロンダリング、反則代行業のようなルール違反の需要も大きくなってゆくだろう。それらは公共機関から民間企業、大企業から零細企業、お金持ちから貧困者へと発注されるようになるだろう。